縮んだニット・セーターがクローゼットに眠っている。一発で縮んでしまうと、捨てるに捨てられませんよね。
アクリルのセーターや、最近では「洗えるニット」などの名称で売り出しているセーターがあり、これらは洗濯で大きく縮むことはない。その調子で、ウールやカシミア等の動物の毛も洗濯してしまうと縮んでしまいます。
ふつうにお洗濯したら、小学生サイズじゃないかってくらい激しく縮みました……
そんな縮んでしまったニット・セーターを伸ばした方法をお伝えします。完全に元通りとはいかないけれども、かなり伸ばすことに成功したので、縮んだニットの扱いに困っている方はぜひ試してみてください。また着られるようになる!
ニットセーター伸ばす方法
実践の前に、手順と使うアイテムを紹介します。
※以下、セーターを「ニット」と統一して書いていきます。
手順
- 伸ばしたい服の大きさに、段ボールをカットしておく
- 水にトリートメントを溶かす
- 2の液体に、ニットを浸す
- 1のダンボールに、3のニットをかぶせて伸ばす
- 陰干しで乾燥
トリートメント液を含ませたニットを、型紙を使って伸ばしながら乾かす、という感じです。
用意するもの
- トリートメント(アモジメチコン入り)
- ダンボール
- ダブルクリップ
アモジメチコン配合のトリートメント
1番重要なトリートメントですが、動物の毛を修復する効果があるそうです。推測ですが、ウールなど天然毛は、傷んだ毛繊維が絡まり合って硬く縮んでしまうのでは。
トリートメントは、必ず「アモジメチコン」が配合されているものを選ばないといけない。
アモジメチコンってシリコンのようですが、ノンシリコンが流行っているせいか、探してみるとアモジメチコン入りのトリートメントが意外に少ない気がしました。
型紙ダンボール
ダンボールですが、伸ばす型にするためのもの。水に濡れた洋服をかぶせるので、柔いダンボールはへにょへにょになってしまう。というか、自分でやってみて気づいた。プラスティックダンボールのほうが絶対いい。
衣類を伸ばすためだから、縮んだニットをかぶせるときっつきつな状態。へたするとダンボールがニットの圧力に負けて折れ出してしまうんですよね。そして、一度使ったらもう二度と使えない。
紙の段ボールでも良いと思いますが、型紙を再利用したい方はプラスティック製のダンボールが良いかもしれない。
ダブルクリップ
これは、ダンボールと洋服がずれないように留めるものです。特に、袖や裾の丈を伸ばしたい場合は、クリップで留めないと上にずるずる上がってしまうので。
事務用品で使っているものでいいと思います。クリップ跡が気になる方は、大きめ(幅が広いもの)を用意するといいかも。
これくらい横幅があると、裾を伸ばすのに便利でした。100円ショップにもあります。
縮んだニットを伸ばす……実践編
2つのニットカーディガンで、今回試してみました。
1つは、特に縮が激しく、二の腕なんかぱっつんぱっつん。丈も短すぎて着られない。袖も七分になってしまっています。全体的に伸ばしてみます。
もう1つは、胴体部分は余裕があるけれど、腕部分がきついので、腕部分のみ伸ばします。
手順1 ダンボールを切る
胴体部分、腕部分の型紙を作ります。
希望の仕上がりサイズにダンボールをカットするわけですが、仕上がり寸法を決めるのが難しい。
【私が実践した方法】
*縮んだ状態の寸法を測ります。
⇒袖の付け根、袖口の渡り幅、袖丈を計測。それから、胴体部分は胸回り、裾部分の渡り幅、着丈を計測。
*縮んだ状態の実寸を参考に、プラス数cm(伸ばしたいくらいに)でダンボール型紙を作る。
しっかりと定規を使って作業しましょう。袖の型紙作りのポイントは、付け根部分から袖部分にかけて斜めに直線を引くことです。これが意外に難しいかもしれないけども……
ダンボールはハサミだと切るのが大変なので、カッターを使うと楽ちんでした!
手順2 トリートメント液に浸す
衣類が十分に浸かる大きさの洗面器などに水(ぬるま湯)+アモジメチコン配合のトリートメントを入れます。
量は、トリートメント1回分くらい。心配な方はちょっと多めに入れとけばよいと思います!
よく溶かしてから、ニットを入れます。ゆっくりと、丁寧に浸す感じで、15分ほど放置。
その後、洗濯機で軽く脱水します。ガラガラ回してしまっては縮みの原因になりますので、さっと1分くらいです。
手順3 型紙にかぶせる
苦労して作ったダンボールの型紙にかぶせます!トリートメントのおかげか、だいぶ伸びるようになってます。伸ばしつつ、ダンボールにかぶせます。きつきつですが、袖もどうにかかぶせます。
ダンボールを入れ込んだら、ずれないようにクリップで留めます。袖の長さを伸ばしたい方は、ちゃんと肩口を袖口を固定してくださいね。
こちらのニットは胴体部分もしっかり伸ばしたかったので、裾は引っ張りながらダンボールと共にクリップで留める。
さて、こんなものが完成したら、あとは適当なハンガーに通して(ハンガー後がつかないように工夫)、ひたすら陰干ししましょう!
実家に帰省している時に挑戦したんですが、畳を濡らしてしまいました。親にバレなかったけど、気をつけましょう。
何cm伸びたか、計測結果
半日ほどで乾いたので、恐る恐るクリップを外してダンボールを外してみました。もしかしたら、しゅっと縮んだ状態に戻ってしまうのではないかと心配でしたが……
すごい! きちんと伸びてます。
【寸法ビフォーアフター】
腕+胴、全体的に伸ばしたニット
before | after | 伸びた長さ | |
着丈 | 49 | 57 | 8 |
二の腕周り | 11.5 | 13 | 1.5 |
袖周り | 8 | 10 | 2 |
(単位cm) |
腕のみを伸ばしたニット
before | after | 伸びた長さ | |
二の腕周り | 13.5 | 15 | 1.5 |
袖周り | 7.5 | 10 | 2.5 |
(単位cm) |
予定通りの寸法に伸ばせました。着丈8cmを伸ばせたのには驚きでした。
注意:元のサイズ以上には伸びませんので、無理矢理はやめましょう。
どちらも着用してみると、着心地がしっかり変わってました。ぱっつんぱっつんじゃなくなった!めんどくさかったけど試してみてよかったです。
まとめ
縮んだニットを伸ばし、元通りに近い状態へ戻す方法は、
- アモジメチコン入りのトリートメントを使う
- 型紙をしっかり作る
これらがポイントになります。少々めんどうですが、クローゼットにしまいっぱなしの縮んだニットも、再び着れるようになる喜びが得られます。お試しくださいね。
そして、二度と縮ませないよう、きちんとおしゃれ着用洗剤で洗うかクリーニングに出しましょう。
お安く買える、アモジメチコン入りのトリートメント剤です。
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